
ふだん、普通の人の20倍くらい音楽を聴かない
ノーミュージックライフな私ですが
こんな私にもこよなく愛する音楽があります。
それはジプシー音楽。
子どもの頃からフォルクローレとかが好きで、
どうも哀愁をたっぷり含んだ旋律に弱い。
それがいつのことだったか、ジプシー音楽を聴いて
すっかり夢中になってしまったのだった。
のんびり物悲しいフォルクローレにくらべ、
ジプシー音楽には心をざわざわと揺すぶられる激しさがある。
フォルクローレはきっと色がなく荒涼とした険しい岩山で、
大自然を源として生まれたのだと思う。
だからその音色はいつも空へ溶けていく感じがするのだ。
それとは対称に、
ジプシー音楽は(差別を受けることへの)怒りや哀しみなど
人間のコントロールしきれなくてあふれ出した感情が
音楽という形になったものなんじゃないかと思う。
だからその音色はいつも胸の奥深くに突き刺さる。
ジプシーの中でも中東欧に居住する者たちを“ロマ”と呼ぶ。
今回はこのロマをルーツに持つトニー・ガトリフ監督の
『トランシルヴァニア』を上映します。
突然姿を消した恋人を追って、彼の故郷
ルーマニアはトランシルヴァニアに辿り着いたジンガリナ。
やっと探し出した彼にはしかし、愛情の欠片も残っていなかった…。
傷つき苦しみもがきながらも自らを再生してゆく女性の物語です。


ガトリフ監督が初めて女性を主役に据えたこの映画、
ヒロインを演じるのはアーシア・アルジェント。
強い瞳、激しい魂、凄まじい存在感はハンパなく、
彼女があってこの映画が成立していると言って良いほど。
美しくカッコ良くてぶっ壊れてる彼女、サイコーです。まじで。

「音楽を撮るために映画を撮っている」というガトリフ監督、
音楽もたっぷり楽しんでください。
今回の映画の旅のお供は、「ルーマニアのおやつ」。
何が出てくるのかな、楽しみだー!!
CINEMA HOUSE vol.03 TranSylvania
2010.2/26(金) 14:30~ 17:00~ 19:30~
2010.2/27(土) 11:30~ 14:00~ 16:30~ 19:00~
※2/27(土)19:00の回は満席となりました。どうもありがとうございました。『トランシルヴァニア』
2006年/フランス/102min/監督:トニー・ガトリフ
会場:FarmHouse Cafe
http://farmhouse-cafe.com/ 神戸市東灘区岡本5-2-4 TEL078-453-9355
OPEN12:00~19:00 木曜、第1・3水曜休
料金:2000円(ルーマニアのおやつとドリンク付き)
定員:各回10名(先着順、ご予約ください)
ご予約:メールで
nomadekino@gmail.comまで
お名前、人数、ご希望の回、ご連絡先をお知らせください。
FarmHouse Cafe店頭、お電話でも受付しています。